「まちがいを恐れずに」自由学園読書会レポート

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間違いのないようにという考えの中で事をするのと、
考えた上ではき違えるならはき違えても構わないという、
潔い勇気をもって事をする人とでは、
その行為の上に著しい違いのあるものです。

(まちがいを恐れずに  …羽仁もと子選集「最も自然な生活」より)

初等部、男子部、女子部、最高学部。
自由学園の四部の父母が集まってともに語り、学ぶ読書会。
今回の課題図書は「まちがいを恐れずに」でした。

人はとかく、周りの顔色をうかがったり、前例にならったりして、
本当に自分が大切だと思ったり、やりたいと思ったりすることへの
チャレンジをあきらめがちです。
失敗を許さない空気が、社会にあるんですね。
でも、社会の空気は自分たちでつくっていくものでもあります。
「はき違えても構わない」そんな気持ちで風通しがいい
社会をつくっていきたいものですね。

本を読んだあとは、ワールドカフェ。
「ピンチをどう切り抜けたか」というテーマで、
テーブルにわかれて話し合いをしました。

自由学園には先生が決めた校則というものがありません。
生徒の自治が重んじられていて、生徒たちが話し合った内容を
6年生(高校3年生)がとりまとめてルールをつくるのです。

ただでさえいろいろある年代です。
子どもたちは、数え切れないピンチに出くわします。

しかし、何かトラブルがあっても、
先生や父母は簡単に口出ししません。
「信じて待つ」それが、
自由学園にかかわる大人たちのスタンスなのです。

読書会の最後に、高橋学園長がこんな話をされました。


「中高生というのは、自分のことがわからないまま成長する時期。
 大人になっていく過程でいろいろなピンチにぶち当たるけど、
 そのたびに視野を広げることになる」

やりたい放題ではない、厳しい「自由」がある自由学園
教えられるだけではなく、自ら学ばざるを得ない環境で、
子どもたちは今日もボコボコになりながら生活しています。