RELEASE;に会いました

但馬武さんのご案内で、「RELEASE; 東京胎動」というイベントに参加しました。いままで関西を拠点に社会課題の解決に取り組んできた非営利型プロデュースカンパニーであるRELEASE;が、東京でも活動の場を広げていきたい、ということで開かれたこのイベント。WEBサイトを見たり人から聞いたりしただけではわからないRELEASE;の思想やスタンスを、代表の桜井肖典さんと風間美穂さんから、じっくり聴ける貴重な機会となりました。

RELEASE;を際立たせているのは、なにより、社会課題への向き合い方。課題の解決というとどうしてもネガティブな要素に目が向きがちで、またそこに向き合うことで消耗しがちなところもあります。ところがRELEASE;は、「人間は本来光である」という考え方がベースにあり、課題の奥にある「願い」にフォーカスし、それを実現することに取り組んでいるのです。さらに、コサンルティングに終わらず、可能性をかたちとして見えるところまでを提案し、プロデュースします。

クライアントからの課題をそのまま受け取るのではなく、課題の奥にある意図や、自分たちが本気でつくりたいと思う未来のヴィジョンをかたちにする。新しいものをつくるために、いま持っているものも手放し、いったんフリーな状態にする、という仕事の姿勢は、「RELEASE;」というカンパニーのネーミングの由来にもなっています。

解決のフェーズでも、いままでのビジネスのかたちにはこだわりません。たとえばいま社会課題解決ビジネスの分野で注目されているSDGs。本来は共創のための枠組みなのに、既存のビジネス環境がベースになっていることで、競争のためのタグづけになってしまっています。何を解決するか、だけでなく、どう解決するかが、サステイナビリティを左右するのですね。

そもそもを疑う。たとえば、「農業がしたいんです」という相談の場合、「農」とは何か、なぜ「業」なのか、というところから疑い、本来の願いを実現するための企画をつくっていく。チーム編成に関しても、まず仕事ありきではありません。いっしょにやりたいと思えるメンバーでチームを構成し、仕事になれば仕事にしていくというかたちが多いそうです。

この独特なチーム、組織づくりの背景には、桜井さんの痛い経験があります。かつて、自分がつくった会社に自分が苦しめられたそうです。人のために組織があるのに、組織が人を苦しめるようになる。周囲の期待に応えないといけない、成果を出さないといけない、弱みを見せてはいけない。組織を維持し、大きくしていくためのプレッシャーが、苦しみとなるのですね。組織があるから人がいるのではなく、人がいるから組織になっている。そんな形で成り立っているのがRELEASE;なのです。

いま不安とわだかまりと緊張でガチガチな日本の首都、東京を、RELEASE;がどうやって解き放ってくれるのか。期待せずにはいられません。

おいしい手作りソーセージの条件は?SOW!政治 vol.15「民主主義の条件」

ソーセージをつまみながら政治を味わうイベント「SOW!政治」。3月10日に開いたvol.15は、ホリデースペシャルということで、手作りソーセージづくりから始まりました。

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手作りは今回で2回目。ミンチをねりねりし、ソーセージメーカーで羊腸に、詰め、グツグツゆでます。前回はゆでるところで羊腸に穴が開き、ミンチが飛び出すこともあったのですが、今回はゆでる温度に気を遣うことでなんとかすべて脱腸せずに仕上げることに成功SOW!政治は回を重ねることにメンバーの対話のスキルを磨いてきていますが、ソーセージづくりの技術も向上しているようです。

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ソーセージをつくっている間にすっかり打ち解けた気分になり、できたソーセージをモグモグする時間もおしゃべりが弾みます。お腹が満たされたあと、いよいよ本題のActive Book Dialog(ABD)に。前回に引き続き、ひとつの本を参加者で分けて読み、プレゼンで内容をシェアし、対話するという読書法で政治について学んでいきます。

 

今回の課題図書は砂原庸介さんの「民主主義の条件」。前回の池上彰さんの本は政治のしくみ全体についてわかりやすく説明する内容でしたが、本書は国民の意思を社会に反映させるための政党と選挙のしくみにフォーカスしています。世界各国、そしてこれまでとの比較によって、いま日本の民主主義が置かれている問題をあぶり出すかたちになっているので、短時間で読みこなすのはなかなか大変です。ところが、それぞれの人の個性がにじみ出る各章のプレゼンを聞くことで、ひとりで読むにはややハードルが高い内容にも興味が高まるところは、ABDならではだと思いました。

 

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イベントのあと、ひとりで本を読んでおさらいをしたのですが、ああ、これはあの人が言っていたあれだ、みたいな感じで記憶がよみがえり、本の内容が立体的に頭に入ってきたような気がします。

 

次回のSOW!政治は、5/14(月)。政治について話すときにありがちな、意見のちがう人どうしでの対話のコツを学ぼう、ということで、平田オリザさんの「わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か」をみんなで読んで、話します。ぜひご参加くださいね!

自分とは?生とは?死とは?重いテーマを軽く語る先生の2時間。自由学園「地球市民教育フォーラム」養老孟司さん講演

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「地球とそこに住むすべてのいのちの持続可能性」を共通テーマにしている自由学園の「地球市民教育フォーラム」、第8回のゲスト講師は養老孟司さんでした。そこで語られた内容を、忘備録として残しておきます。

 

中等部、高等部、最高学部の学生たちを前にしていたこともあり、次世代に向けてのメッセージでもありながら、「生きる」という世代を問わず向き合わざるを得ないテーマについての講演となりました。

 

「自分」って?

 

「自分」をさかのぼってみると、元はたった0.2mmの卵。それが大人になると50,60kgになったりする。食べたものが「自分」になる。成長する過程で、体の中の細胞は、古いものから新しいものに入れ替わっていく。7年でぜんぶ入れ替わる。中身はまったく違うものなのに、頭は「自分」だと思っている。人だって、社会だって、実態は「入れ替わっている」。そのことに日本人が気づいたのは平安時代平家物語では「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」、方丈記では鴨長明により「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず〜」と書かれている。鴨川という川はずっとあるけれども、流れている水は変わり続けているということ。

 

環境とはなにか。定義は、「自分を取り巻くもの」。「自分」と「環境」は対になっている。つまり、環境と自分を切り離して考える傾向がある。例えば名前。名前というものは、自分のためではなく、社会の都合、他人のためにある。ラオスの田舎には、村の名前がない。なぜなら、外から人がくることはないから。

 

「自分」という意識がないと家に帰れない、ナビで言うと矢印みたいなもの。脳には空間を認識する部位がある。体験談によると、そこが壊れると「自分が水のようになって広がってく」ようになるそうだ。ナビで言うと、矢印がなくなって、地図そのものになるような感覚。宇宙にいてもそういう感覚になる人がいる。空間認識能力がなくなって、世界、宇宙とひとつになったような感覚になる。

 

「自分」という意識は、起きているときだけ働く。では、「意識」とは。意識というのは秩序。なので、意識してデタラメ、ランダムはできない。でいないからサイコロがある。意識をもつ人がつくる世界は秩序立っていく。自然の法則として、あるところに秩序ができれば、別のところに無秩序ができなければいけない。秩序を維持するにはエネルギーがいる。つまり、エネルギーがないと文明は維持できない。

 

「死」とは?

 

進化とは何か。0.2mmの卵をつないでいくこと。トカゲ、恐竜、人間といろいろな動物が出てきたけど、結局、つながっているのは卵。その繰り返し。それを勝手に断つことができるのは人間だけ。勝手につながりを切ってしまうのは人間の傲慢。

 

生物は、順繰りで生きて、死ぬ。死んでも自分は困らない。困るのは周り。どんな生き物も、何かしら貸し借りをつくってお互い様で生きている。「自分」のことばかり考えると、自然に死ぬよりも、死を自分で決めたいと思ってしまう。でも「自分」というのは自分だけで生きているわけではなく、色んな人の思いや支えを受けて生きている。だからこそ、勝手に終わらせてはいけない。

 

「AI」と人間

 

AIは社会を変えるか。すでに変わっている。たとえば、「医者は患者ではなく、パソコン画面ばかり見ている」というクレームがずいぶん前からある。銀行では、本人がいるのに本人確認の資料が求められる。人間が情報しか扱わなくなっている。人間がいらなくなっている。それを象徴するのが銀行のリストラ。ノイズを扱わない時代になっている。同じフロアにいる人が声をかけずにメールでやりとりしたり、電話が嫌がられたり。

 

合理的、効率的、経済的、というが、突き詰めるとノイズだらけの人間は不必要ということになる。このまま進むと、自分で電源を入れたり切ったりできるコンピューターが出てくる。どこかで歯止めを考えないといけない。遺伝子をいじれる技術が出てきているが、そのうち人間をいじる人が出てくる。人間の遺伝子操作について、ヨーロッパは禁止、アメリカは規制がある。日本はアメリカだから規制をつくるだろう。中国は何の動きもない。

 

意味のある世界にどっぷり浸かって生きているから、人生の意味なんてものを考えてしまう。人生に意味はあるのか、という問い自体が間違っている。人間はとかく意味のあるものしかつくらないが、世界は意味のないもので満ちている。山にでも行ってみるといい。意味のないものだらけだ。

 

自分が実感できない「事実」は疑ってみたほうがいい。情報や常識には嘘が混じっているときがある。信じないベースには戦争体験がある。「一億総玉砕」と言っていた大人たちが、戦争が終わった途端に「戦争放棄」と言うようになった。戦前からの教科書は間違っているからと、ほとんどのページにスミを入れた。世の中の常識なんてすぐに変わってしまう。 自分をつくってくれる作物を育てる意義は大きい。目を凝らす、ほどよく肥料をやる、失敗してもやる。

 

農業を通して、努力、根性、辛抱が身につく。今の子どもは、昔の1年生にできた辛抱が、6年生になってようやくできる。しかし、努力、根性、辛抱はあくまでも結果。それをつけさせることを目的にしてはうまくいかない。共同体の中で、人と協力しあうことで、ひとりでに身につく、というのがいい。

池上彰さんゴメン!本をちぎって、読んで、盛り上がっちゃいました。SOW!政治 vol.14レポート

政治へのモヤモヤをモグモグ解消すべく、ゆるゆると続けてきたイベント「SOW!政治」。昨年までは「対話」をなんとなくのテーマにしてきましたが、今年からのテーマは「学び」。政治で語るって言っても、知らないこと多すぎるよね、ということになり。何に学ぶかというと、恥ずかしくて聞けないことが多すぎるので、超入門書から。

しかし、単なる読書会ではありません。運営メンバーである神ファシリテーターの「てっちゃん」こと小笠原祐司さんがマスターしている「Active Book Dialogue(ABD)」という画期的な読書法にトライしたのです。このABDというのは、一冊の本を分担して読み、それぞれがまとめ、発表、対話をすることで本の全体像をつかみ、理解を高めるという手法です。これだと、本を持っていなくても、読んでいなくても参加できますし、ひとりの読書にはない気づきも得られたりするんですよね。

で、取り上げた本は、池上彰さんの「政治のことよくわからないまま社会人になってしまった人へ (増補改訂版) 第3版」。まさに、自分も含めてそういう人のために始めたイベントがSOW!政治だったので、最初の学びにはピッタリかな、と。

 

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いつものように、ソーセージやサラダ、パンをモグモグしながらワイワイ話したあとで、ABDのスタートです。てっちゃんは、本を電子レンジでチンして、熱々になった本を参加者の数にちぎって分けていきます。参加者はそれぞれが読む章のぶんだけのページをもらい、40分で読んで、発表用の紙にまとめるという作業に入ります。

 

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人に伝えるとなると中身をよく理解しないといけないので、読書にも力が入ります。会場は、集中した学びモードで緊迫したテンションに。私も精神的に息を切らした状態でなんとか紙にまとめ上げ、壁に貼りました。

全員がまとめ終わり、紙を貼ったあとは発表。自分が読んだ内容を、3分でみんなにプレゼンします。3分、短いです。必死です。全員の発表は30分くらいだったでしょうか。とにかくわかりやすい池上さんの本ということもあったのだと思いますが、なんとなく、本の全体像と、政治のルールがわかりました。あとは、ひとりひとりがそれぞれ読んでおさらいすれば、基本の基本は頭に入るでしょう。

 

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基本の基本とはいえ、わかっているようでわかってないことが多かったなあと気づかされました。そして、ABDすげー、と思いました。読書がこんなに熱くなるとは。楽しくなるとは。SOW!政治の「学び」はまだまだ続きます。ADBも、これから深めていこうと思います。次回は3月を予定しています、みなさんぜひ、いっしょにモグモグ食べて、ガシガシ読んで、ペチャクチャ話しましょう。

バズどころじゃない、ガチな地方創生の話を聞いた

但馬武さんが主宰する定例イベント「HOME」で、宮崎県日南市でマーケティング専門官を務める田鹿倫基さんの話を伺いました。タイトルは「流出が止まり、流入が増えた!宮崎県日南市から学ぶ、人口と地域の関係の作り方」。POZIで取組んでいる熊本県水増集落の地域おこしのヒントが得られればと、気合を入れて臨みました。

ハッとさせられる内容だったので、自分の備忘録としてブログにメモを残しておきます。田鹿さんのプレゼンと、田島さんとの対談の内容を私なりにまとめたものです。

田鹿さんたちの商店街での取り組みについて詳しくは、こちらのgreenz.jpのインタビュー記事をぜひ!

シャッター商店街の再生】

 油津商店街はかつてマグロ漁で賑わった港のそば。マグロの漁獲高はいまや最盛期の100分の8にまで減少。港の勢いがなくなるとともに商店街もさびれていき、昭和40年代には80店舗あった商店街の店舗は20店舗に。

商店街の再生はまず、「ABURATSU COFFEE」のオープンからはじまりました。老舗の喫茶店だった空き店舗をリノベーションし、シアトル系のコーヒーショップに仕立てたのです。うまくいきっこないと言われる中、ABURATSU COFFEEは大人気に。

「若い人向けだけのお店か」というクレームを逆手に取って、カフェの次は隣に豆腐料理が食べられるお店をオープン。こちらも大人気に。

お店が成功して話題になり出したころ、IT企業のオフィス誘致に成功。もともと地元にいた人やUターンしてきた人を中心に、約100名の雇用を生み出すことができました。IT企業で働く人のほとんどは若い女性。いままで地元では介護などしか仕事がなく、魅力がある仕事を探して外に出て行っていた人たちが留まったということですね。

若い女性がたくさん働くようになると、その周りにランチをしたり飲みに行ったりするためにお店が増えていくことになり、また保育園もできることになり、と、雇用が消費を生み、消費が雇用を生むという循環が地元でできるようになりました。

また、こうした成功が地方創生のモデルとして注目を集めたために学生がゲストハウスをつくったところこちらも成功しているそうです。

企業誘致のポイントは、ビジネスモデル、社長とその右腕の人柄、財務状況だそうです。中小のIT企業に目をつけたのは、これから伸びていく企業だと、これから雇用する人が増えていくから。そして、都市部では優秀な人材を大手に持って行かれがちなので、地元で採用して育成することで、働き続けてもらえるメリットがあるからです。大都市に本社がある大企業を誘致しても、その稼ぎが本社に吸い取られるとうまみは小さくなります。

 【城下町の再生】

日南市には古い城下町もありました。その城下町の課題は空き家。武家屋敷が空き家となり、行政はその維持・管理を負担していました。そこで民間でマネタイズできるよう、お屋敷をホテルにリノベーション。素泊まりで1万5千円くらいもするのですが、外国人が連泊するなどで盛況だそうです。その宿泊胃が修繕費となり、城下町の景観維持につながっています。

 【注目したのは、人口動態】

地域を活性化させ、永続性を高めていくために注目しないといけないのは人口動態。つまり、人口の変化です。財政を健全化させるためには、人口ピラミッドがドラム缶のような形になるのが理想。いま日本の地方で起きている問題の原因は、人が減っていることではなく、人口ピラミッドの歪みが原因なのです。

地域おこしの目的は、持続可能な地域にするために地元で経済がまわり、文化を伝承していくこと。観光や工場の誘致は目的ではなく、手段でしかありません。

人口動態をドラム缶型にするために大切なのは、2030代の女性を地域に残すこと。都市から離れ、ベッドダウンになれない地域は、彼女たちに残ってもらうために、住み、仕事をし、産み育ててもらう環境をいかにつくれるかが鍵になります。

人口動態の中でも、特に大事なのが「社会増減」。生まれ、死ぬ人による増減ではなく、転入、転出による増減です。高卒時の人、社会人、第二社会人の増減の転出を止めるために何が必要なのかをデータに基づいて施策に落としていきます。

日南市の地域おこしのKPIは、地元の平均給与を上げること。そこが、人口流出を食い止める決め手になるからです。

 【ここ数年の地方創生の動きについて】

背景として、東京が子どもを生み、育てにくい街になっていることがあります。このまま東京に人口が集中すると、人口が減っていきます。そこで、人口ピラミッッドを安定させるために、子どもを生み、育てやすい地方を増やしていこうということになっています。また、国としては地方に払う交付金を減らしていくために、残していく地域と消滅させてく地域を選別したいという意図もあります。

地方創生がいちばんうまくいっているのは、長野県の南箕輪村。徹底的に子育て支援に取り組むことで移住者を増やしている。でも、一般的には知られていません。予算を派手なPR動画などに使わず、子育て支援に集中しているからです。

成功と失敗を左右するのは、多様性を受け入れられるかどうか。変化に対して肝要か。宿場町や貿易港などは人を受け入れることで成功してきた体験があるのでうまくいきやすい。逆に、城下町や漁港は変化を受け入れにくい。(その二つを兼ね備えた日南を再生させたのはスゴい!)

日南市はトップのビジョンが明確で推進力がありますが、そうでないところの場合は、草の根でうねりをつくっていくことが大切。この地域はヤバい、というネタをつくって、そこに色んな人を巻き込んでいく。視察や研修にきてもらうなどして、交流を図ってムーブメントをつくっていく。まずは観光以上、移住未満の関係人口を増やしていくこと。

いままで地方の次男、三男が送り込まれてくることで、若い人たちが多くなっていた東京は、少子化とともに厳しくなってきます。新しい若い人が減っていって、高齢化が急速に進んでいきます。東京で働く人の税金は、地方と高齢者に使われる傾向が強くなります。一人ひとりも、東京だけに住む、働くの拠点を持つのではなく、いろいろなオプションを持っているほうがこれから豊かになれます。

地方での暮らしが豊かなのは、自給や物々交換などの貨幣によらない経済があり、収入だけでなないポートフォリオが可能だからです。そして、人が少ないと同じ人と何度も顔を合わせないといけないので、失礼なことができません。信頼がベースになるので、性善説で行動でき、人を疑う労力が少ないこともいいところです。

 【感想】

今回のお話を聞いて、私の中で「地域おこし」に対する解像度がグッと高まったような気がします。人口動態は、これから地方だけでなく日本全体を左右します。目先のお金の動きだけに目を奪われず、長期的な流れを読み、どう動いていいくか。ビジネスでも、人生でも、そこがますます問われてくるのではないでしょうか。

教育や勉強から解き放たれた、2週間の学び。自由学園男子部「学業報告会」

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自由学園男子部の学業報告会に行ってきました。学業報告会というのは、たくさんのテーマの中から生徒一人ひとりが興味のあるものを選び、学年を超えたグループをつくって2週間ほど学びを深め、ステージやポスター、映像などで発表する行事です。

 

テーマは本当にさまざま。ステージ発表は、「戦国時代の平和」「良い情報発信とは何か」「教育と環境からみる日本の課題とその提案」といった学術的なものから、演劇やバイオリン、バンド演奏を組み込んだ文化的なものまで。ポスター展示も「小水力発電への挑戦」「個人・対人・集団における心理的影響の分析」など、自分たちで実験をしたり調査をしたりした力の入った資料が見ものでした。

 

他に、脚本から演出までを生徒がつくりこんだ短編映画の上映や、表現の本質を考えた美術の展示などもあり、生徒たちの瑞々しい探究心にはうならされるものがありました。

 

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お昼は男子部食堂で「男子部生による男子部生のための昼ごはん」を。これも、学業報告会のテーマのひとつ。生徒たちは他校の昼食を調べたり、現役の男子部生や男子部を卒業した学部生にアンケートをとったりして研究し、考え、料理をしたメニューです。前もって男子部生に昼食として出し、その反省を生かして父母や来賓向けにふるまった二回目を、私たちはいただきました。メニューは、ボストンハンバーグとシーザーサラダ、カプレーゼとパン。飲み物は紅茶で、デザートはティラミスでした。これ、本当に男子がつくったの?というくらい上品で、食べ応えのあるボリュームでした。

 

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食堂で貼られていたポスターには、学園のキャンパスにいるザリガニを食べることに挑戦したレポートもありました。こういう体当たりのチャレンジも男子部ならではですね。

 

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報告会の締めくくりは、東京学芸大学の成田喜一郎先生と、男子部部長の更科幸一先生、そして生徒たちのパネルディスカッション。「自分の好きなテーマだと学ぶのが楽しかった。ふだんの勉強の中にも自分が好きになれるところを見つけていきたい」「他の人の表現を見ていて自分ももっとうまくなりたいと思った」といった感想が聞かれ、この2週間の体験がただのイベントで終わらず、学園生活に反映されていくような動きを感じました。成田先生からは、「自由学園は『生活即教育』と提唱してきたけれども、これからの学園からは、教育という言葉を葬り去ってもいいのではないか。『生活即学び』学び、究めるという体験を、生徒たちにもっとしてほしい」と思い切った提言が。たしかに、「教育」とか「勉強」という言葉に張り付いた「やらされ感」から解放された学びが、これからもっと必要になってくるのかも知れません。

 

報告会が終わり、校門を出てすぐ右のところに完成間近の「自由学園みらい館」が見えました。自由学園の生徒や学生たちが植えた木を使った真新しい建物は、11月22、23日に開かれる「おさなご発見U6ひろば」という催しでお披露目されるそうです。小さなお子さまがいらっしゃる方は、ぜひ足を運んでみてください。

 

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手作りソーセージも、学びの時間も、中身ギッシリのSow!政治でした

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ソーセージをつまみながらカジュアルに政治を語るイベント、Sow!政治。vol.12のテーマは「対話の場とソーセージのつくりかた」でした。

いつものSow!政治は出来合いのソーセージが並びますが、この回はソーセージづくりからスタート。慣れない手つきで挽肉をこね、羊腸に詰め、茹でて、焼いて…と、みんなでいっしょに手を動かすうちに、はじめての人も、おなじみの人も、心の距離がグッと近づきます。

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ソーセージができたら、いよいよ学びとおしゃべりの時間。百戦錬磨のファシリテーター、てっちゃん(小笠原裕司さん)に、「対話の場づくり」の奥義を伝授してもらいます。

そもそも、対話ってなんでしょう。人と人との会話には、いろんな形がありますよね。雑談に、議論に、対話…。

まず、雑談は、その場の気持ちを吐き出すだけの会話。次に議論は、答えを見出すために意見を戦わせる会話。そして対話は、お互いを理解し合うために相手の話を聞き合う会話なのだそうです。

判断はひとまず置いておき、視野を広げるために、言葉を通じてお互いの意見を深掘りしていく。それが対話なんですね。

いま北朝鮮の情勢をめぐって「圧力か対話か」とスタンスが分かれていますよね。アジアだけではなく、世界には争いが絶えませんが、国境を越えていろんな人たちが気軽に雑談できる時代をつくっていきたいものです。

雑談か、議論か、対話か。ふだん人と会話をするときに、この会話はどれに当たるのかだろうかと意識してみると、話し方が変わり、得られるものも変わってくるのかもしれません。

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有意義な対話を積み重ねるために大切なのは、相手の意見のいいところを見つけること。否定は簡単。判断材料が少なくても、考えなくてもできますから。でも、そこで終わると話が深まっていきませんよね。 自分と違う意見や知らないことを聞いたときはチャンスです。「それって何?」「どういうこと?」と深掘りしていくことで自分の視野を広げることができるのです。

対話にもコツがあれば、対話の場づくりにもコツがあります。人が集まって「さあ、対話をはじめよう」となっても、戸惑うことがありますよね。

人が話をしにくい理由は、大きく、以下の4つだそうです。

①テーマそのものが分からない、言い方が分からない

②失敗しないかという不安がある

③あえて言わない

④興味がない

上記のうち、③④はどうしようもないところもありますが、①②は、工夫次第で解決できます。

テーマや言い方が分からないという人が多い場合は、ふせんなどを使って、話の中で出てきた単語を書き出していくやり方が有効です。わかる単語をきっかけに、話が広がっていく可能性があるからです。

また、大人数で話す前に、まず少人数のグループで話し、そこで出た話を共有するという進め方もあります。少人数だと安心して話せますし、発表も、自分の意見ではなくグループの意見だとなるとハードルが下がりますよね。

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次に、議論のコツも聞きました。なかなか議論が噛み合わないな、というときは、議論の段階を検証してみるとうまくいくことがあります。

「現状・願いの共有→問題→原因→対策→優先順位づけ」という順番で議論を進めることが理想です。今はどの段階の話をしているのかを把握してみよう、と呼びかけることで、議論の焦点をハッキリさせることができます。また、ホワイトボードなどを使って議論を可視化させることも大切です。

今回学んだ技術は、Sow!政治だけではなく他のワークショプやふだんの会議などでも活用できそうです。てっちゃんのように軽妙なトークとともに進めることはとても難しいですが、道具として使っていくことで自分なりにモノにしていきたいと思いました。

次回のSow!政治は11月16日(木)。久しぶりに、テーマは設けずにソーセージをモグモグしながら政治のモヤモヤを語り合う場にしようと思っています。お気軽にご参加ください!

⭐︎Sow!政治vol.13「Sow!政治 vol.13「モグモグしながらモヤモヤを語ろう」

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