環境問題というより、人類問題だろう。と、改めて
アフリカが抱える問題というと、何を思い浮かべるだろうか。パッと浮かぶのが、紛争や貧困だ。しかし実は、気候変動も大きく関わっているらしい。
先日、自由学園の平和週間にゲスト講師としていらっしゃった、NPOアフリカ日本協議会の理事、西原智昭さんのお話を聞いた。
トークの前に会場で流されたのは、レオナルド・ディカプリオの映画「地球が壊れる前に」。ずいぶん前にネットで観る機会があったが、どうも結論が見えているのがつまらなく感じ、最後まで観ないままになっていた映画だ。
ディカプリオが気候変動の現場を訪ねるという、まあ言ってみればそういう映画なのだが、実際に観てみると想像していた以上の衝撃を受ける。情報として知っているというレベルを超えて迫ってくるものがある。
目を覚まさせられるような気持ちになったあと、西原さんが登壇された。西原さんが話されたのは、映画では取り上げられていないアフリカが直面する気候変動の問題。
地球上にある大きな熱帯雨林は3つ。アマゾンと東南アジアと、中央アフリカのコンゴ。アマゾンと東南アジアは既に開発が進み、いまコンゴが乱開発の危機にさらされているという。木材のために、パーム油の畑のために、そして、レアメタル採掘のために。
レアメタルは、ソーラーパネルやバッテリーにも使われる。いずれも気候変動対策のために需要が高まっているが、その原材料を得るために熱帯雨林が破壊されるとすれば、エネルギーシフトも手放しで歓迎できない。
また、社会課題の解決に通信やAIの活用が期待されているが、そこにも膨大なレアメタル、そしてエネルギーが必要だ。一見スマートだが、現実的な解決策とするのはおめでたいのではないだろうか。
原因は、持続不可能な資源の使い方に依存する私たちの暮らしや経済。西原さんは、私たちにできることを以下のようにまとめた。
・まず知る
・周りの人と地球のことを話す
・学んだことを一過性で終わらせない
・まずは大人が学び、子どもに伝える
・環境、社会配慮型の商品を選ぶ
・できる限り節約する
・日本人の特性を以下す(もったいない精神)
散々聞かされているようなことかも知れないが、いまいちど肝に銘じよう。
大型化する台風など、日本でも気候変動の影響が深刻になりつつある。しかし報道は、災害の被害について追うばかりで、復旧したらそれで終わり。その原因を伝えようとはしない。一人ひとりが、このままでいいのか、どうしていくべきなのかを考え、行動していく必要がある。
環境問題については、個人的にずっと向き合ってきたつもりだったが、西原さんの話は、気合を入れ直す機会となった。できることはある。でも、時間がない。問い続け、動き続けるしかない。