僕らのとなりにある政治。「SOW!政治vol.11」レポート

ソーセージをつまみながらカジュアルに政治を語るイベント「SOW!政治」。先月行われたvol.11は、初めて現役の政治家の方をゲストにお迎えしました。

ふだん政治家がまず訪れなさそうな社員食堂Labまで足を運んでいただいたのは、小金井市議会議員の白井とおるさん。こういうくだけた場だからということで、パンダのTシャツにジーンズというカジュアルな服装でいらっしゃいました。とはいえ、お互い緊張しますよね。そんな場を和ませてくれたのが、トークの前のソーセージもぐもぐタイムでした。バカみたいに盛られたソーセージをつついていると、堅苦しい空気のままでいるのがバカみたいに思えてくるから素敵です。

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ほどよくおなかがふくれたところで、白井さんのお話がはじまりました。白井さんはいわゆるロスジェネ世代。就職氷河期に社会人になった方です。大手企業への就職が一生の安泰につながらなくなった時代、白井さんはどんな状況でも稼げる力をつけるためにベンチャー企業に就職。それからはモーレツな仕事中心の日々です。政治のことなんて全く考えたことがなかったそうです。

そんな白井さんが変わったきっかけは、お子様が生まれたことでした。子どもが幸せに生きていける社会をつくるために、まずは地域での活動をはじめ、その延長で地域の身近な政治家、市会議員に立候補。みごと当選され、次は市長選に出るために辞職。残念ながら次点となり、再びの会社員生活を経て、また市議会に立候補され、当選されます。2回当選だけでもすごいのですが、何よりすごいのは完全無所属ということ。政党が推薦するなんちゃって無所属ではありません。選挙のときだけではなく、「小金井をおもしろくする会(こがおも)」などの活動を通して、ふだんから市民と対話する姿勢が、きちんと評価されているのですね。

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プレゼンテーションを聴いたあとは、市民がどうやって政治にかかわるかをディスカッション。参加者それぞれから色々な声が出たあと、白井さんは選挙以外で有権者ができる政治活動として、以下をあげられました。
SNSでの情報発信、質問の投げかけ
・ブログを書く
・行政に陳情書を出す
・市民有志で要望書を出す
・議会を傍聴する

また、選挙でも、国の選挙と自治体の選挙では向き合い方を変えた方がいいというお話も。それは、国の政治と地方自治体の政治はしくみが違うからです。

国政では、議院内閣制を採り、内閣を組織する与党と野党が国会で議論をして法律を決めるしくみになっています。そのため、国政の場合はどの政党が議席を獲得するかが大きな意味を持つため、政党で選ぶほうがよいとのことです。

一方、地方自治体の場合は二元代表制を採り、有権者から直接選ばれる首長と議会が議論をして法律を決めるしくみになっています。地方自治体の首長は圧倒的な権限を持つため、実行力が問われます。また地方議会の議員は、権限の大きい首長に物を申すチェック機能が問われます。いずれも、どういう人物かをしっかりと見極める必要があるのですね。

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私はふだん、ソーシャルデザインの領域で仕事をしていますが、政治についてどうかかわればよいのか、モヤモヤしたものを抱えています。今回お聞きした白井さんのお話からは、ソーシャルデザインと政治の垣根というのはないのだということに改めて気付かされました。そして、白井さんのように政治のことを市民にわかりやすく伝え、対話する政治家がもっと増えれば、多くの人がもっと政治に関心を持つのだろうなあと思いました。その橋渡しになれるよう、これからもSOW!政治、がんばります。

さて、次回のSOW!政治はホリデースペシャルです。9月9日(土)、ランチタイムを中心に、ソーセージづくりも学びながら、対話の場のつくりかたを学びます。講師は、年間180回以上のワークショップを成功させる神ファシリテーターの小笠原祐司(てっちゃん)さん。こんなおいしいイベントないでしょう!みなさま、ぜひふるってご参加ください。

⭐︎対話の場とソーセージのつくりかた
https://www.facebook.com/events/333239810458085/