自由ってなんだ?自由学園ってなんだ?

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息子が通う自由学園では、父母を対象にした読書会が開かれます。創立者である羽仁もと子先生の著作などをみんなで読み、その感想などをみんなで話し合う会です。読書会というとお勉強っぽく思われるかもしれませんが、話し合いの方が多くなるように時間を割り振られているので、それほど堅苦しい雰囲気ではありません。

 

今日参加した読書会では、羽仁もと子先生没後40年を記念してかつてつくられた映像「光を放つ人になる」を観たあと、講話のCDを聞いたあとで、5〜6人くらいに分かれて話し合いをしました。テーマは「自由学園を人にどう紹介するか」。

 

成り立ちからカリキュラム、年間行事まで、他の学校とは大きく違う学校です。ひとことで説明するのはとても難しいのですが、さまざまな学年の父母の方や最高学部の学生さんたちから、それぞれの経験を踏まえたお話を聞くことができました。

 

自由学園に息子が通うようになってから深く考えさせられるようになったのが、「自由」についてです。「自由」学園なのに、ひとりが自由を満喫できる時間はとても限られています。生徒の自治が重んじられているため、生活のこと、行事の運営、トラブルの解決まで、生徒たちで行わないといけない毎日。先生をはじめとする大人たちは、そばで見守り、支えるという姿勢です。そんな学校が「自由」って?と。

 

自由というと、好きなようにやりたい放題という印象がありますが、自由学園で身につける自由は、一人ひとりがもって生まれた可能性を、自らのコントロールのもと伸ばし、生かしていくことのようです。なかなか言葉にしづらく、また実感しづらい概念なのでモヤモヤしますが、その意味を自分なりに問い、考え、実践していくことが、自由学園を通して親子で学ぶ意義なのかもしれません。

 

本当の自分というのは、ボーッと好きなように過ごしているだけでは見つかりません。自分のことを、自分で知ることはなかなか難しいことなのです。得意なことも不得意なことも本気で取り組む。好きな人とも苦手な人とも本気でぶつかる。その過程での悩みや葛藤、そして発見や達成感を通して、見出される個性や能力を、社会で思う存分発揮する。それが自由学園の教育なのかもしれません。

 

「生活のなかで本当の自分とやるべきことを見つけ、自分をつくっていく。そして人生を通して、より正直な自分に近づいていく」そんな言葉で読書会の終わりに、自由学園の教育についてまとめられたのは学園長。たくさんの卒業生を見て感じた言葉には実感が感じられました。

 

体験を通してしか得られない学びであり、なかなか伝わりづらいこともあってか、世間ではあまり知られていない自由学園の教育について、これからも自分なりに考えながら、たどたどしい言葉で伝えていきたいと思います。