今年いちばん聴いた音は、何年も聴き続けている音だった

自分と同世代のミュージシャンの音には励まされる。
自分が働き出すくらいの時期にデビューし、
壁にぶつかりながらも、新しい音楽を生み出し続け、
音楽が売れない時代でも折れずに活動し続ける。

Scoobie Doは、そんなバンドのひとつだ。
今年、スクービーは活動20周年を迎えた。
記念にリリースされた3枚組のベスト盤
40×20 〜20YEARS ALL THE BEST」と、
カバー&レアトラック集「Extra Funk-a-lismo」を、
何度も何度も聴いた。
レコードだったらすり切れていたかもしれないくらいに。

レコードからCDへの移行期に
思春期を過ごし、渋谷系の全盛期が
青春だった私たちの世代は、時代や国境を超える
さまざまな音楽にまみれて育った。

ガレージサウンドの視点から
再発見されたカルトGS、
サンプリングソースとして掘り出された
フリー・ソウルやスピリチュアル・ソウル、
カフェカルチャーを彩るソフトロックなど、
自分たちの毎日にハマる音楽を浴びた世代。

そのエッセンスを、
ファンクを軸にいま聴かれるべき
最新型のグルーヴとして
鳴らし続けているのが、Scoobie Doなのだ。

彼らの新譜が出るたび、緊張する。
自分のことのようにドキドキする。

10年前の10周年のときのように
ライブに足繁く通って踊り明かすことはない。
でも、Scoobie Doの音とひとつになるたび、
いつでも、いつまでもハジけられるような気持ちになれる。

20年目の新曲のタイトルが、
「新しい夜明け」なんだぜ。

いつでも新しい自分でいるために、
また私はScoobie Doでハジける。

 

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