言葉は使うもの、磨くもの、遊ぶもの

昨日に続いて、Noddin 3rd Exhibitionへ。

会場のクラスカに着いてすぐはじまったのは、
戦争のつくりかた」のアニメーション上映。

絵本の「戦争のつくりかた」が出版された2004年当時は、
まだ戦争は遠い昔や、遠い国の話というムードでした。
あれから11年経ったいま、
平和憲法をもつ日本も、戦争の臭いがプンプンするように。
もはや絵本というより予言書のようになってしまった
「戦争のつくりかた」が、Noddinの映像作家や
アニメーターによりショートフィルムとして映像化されたのです。

そのショートフィルムは、緊張感にあふれるものでした。
絵本が穏やかな恐怖を感じさせるものであったのに対し、
フィルムは、たたみかけるような映像と音響で、
自分の臨まない方向に勝手に壊されていく
暗い日常が迫ってくるようです。

ショートフィルムとなった「戦争のつくりかた」は、
いずれWEBで公開されるとのことなので、
多くの人に観て、考えてもらいたいと思います。

ちなみに、絵本「戦争のつくりかた」は、
昨年新たに「新・戦争のつくりかた」として出版されました。
こちらも改めて読んでみようと思います。 

続いては、
影浦峡さんによる
「正疑のミカタ!カゲウラー
  〜言葉とメディアのリテラシーワークショップ」。

通常は3時間かかる内容を50分に縮めたとのことで、
ややついていけないテンポではありました。
しかし、言葉というものの面白さと恐ろしさについて
考えさせられる内容で、いちどじっくり
話を聞いてみたいと思いました。

言葉を見聞きするとき、
私たちはその背後にある意味を読み取ることに
意識が行きがちです。
しかし使われている言葉そのものに注意を向けることで、
何を意図しているのか、何がおかしいのかが見えてきます。

違和感のある言葉づかいに出会ったら、
どこが気持ち悪いのか、分解して考えてみること。
そうするこで、より自分自身の言葉も
研ぎすまされていくように思います。

そして最後は、
丹下紘希さん x よしむらしゅういちさんによる
プレゼンテーション寸劇「バカと言葉は使いよう」。

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こちらも言葉のリテラシーを磨く上で
大いに刺激になり、大いに笑える内容でした。 

映像の方向性でいうと、
丹下さんは二枚目系、よしむらさんは三枚目系。
全く違うキャラクターのふたりの組み合わせが生み出す
ケミストリーは強烈。 

「自由無人党」からの立候補者という役柄の
二人から繰り出される知的なバカバカしさは、
バカバカしいほどに理屈が通じない安倍政権に対する
カウンター、いや膝カックンとなる可能性を感じました。

このコンビ、
今回だけの企画に留まらず、
Noddinのレギュラーとして続けてほしいと思いました。
(ご本人たちはもう懲り懲りかもしれませんが…w)

重苦しい時代になってきましたが、
どっこいアートはまだヤンチャに戦える。
そんな光を見た一日でした。