男の子と紙飛行機


連休の後半、寝室の大掃除をしました。
ホコリっぽくてとても寝られないので、
リビングで寝袋をかぶって寝ていました。
いつもと違った感じがよかったようで、
息子はゴキゲンでした。


息子は寝るときに、
いつもお話をねだります。
今日は、連休最後の夜に話したお話を…。


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男の子は、
学校の授業中に紙飛行機を折っていました。
ああ、つまんないなぁ。
どこかちがう国に行ったりしたいなぁ。
そんなことを考えながら、
紙飛行機を窓に飛ばしました。
紙飛行機は風に乗り、遠くに飛んで行きました。


次の日の朝のことです。
学校へ行く途中の道で、
何か大きなものが横切りました。
それは、大きな紙飛行機でした。
男の子は飛んで行こうとする
紙飛行機のはしっこをつかみました。


紙飛行機はそのまま飛んで行きます。
男の子は紙飛行機に乗って、
空をぐんぐんのぼっていきました。
自分の家が小さくなっていきます。
雲が近づいてきます。
やがて雲をこえ、紙飛行機は
どんどん遠くへ飛んで行きました。


飛行機は
男の子が知らない国の街に降りていきました。
そこでは鉄砲の弾が飛び交い、
爆弾の音が鳴り響いていました。
大人も子どもも、逃げまどっています。
何人かが乗り込んだとき、
紙飛行機はまた空へ飛び立ちました。


家族で紙飛行機に乗った人たちは、
お互いに涙を流して喜び合っています。
家族や友だちを残して紙飛行機に乗ってしまった人は、
地上の街を眺めて悲しそうに泣いています。


紙飛行機は、
あたたかい南の島に着きました。
傷ついた人たちは、そこに果物の木を植え、
新しいくらしをはじめました。


男の子は、
紙飛行機に乗って見てきたことを、
友だちや先生に話そうと思いました。
そしていつか、まだあの戦いが続いている街に
残された人たちを助けたいと思いました。


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即興なので、流れが強引だったり、
オチがイマイチだったりします。
いつもこんな調子ですが、息子はお話を聞いたあと、
とても満足そうな顔をして眠ります。
昨日は、最後まで聞かずに眠ってしまったようですが…。