中沢新一さんの「日本の大転換」


台風で早く家に帰ったので(奇跡的に!)、ずっと読もうと思っていた中沢新一さんの「日本の大転換」を読みました。すごーく、スッキリしました。何となく考えていたことが、美しい文章でまとめられていました。


地球の生態系にはない現象を人為的に起こすことで破壊的なエネルギーをつくることができる原発。そして、自然現象とかけ離れた合理性のみを追求し暴走する資本主義。地球の生命の和の外にあって、暴力的な力をもつふたつのシステムは、とても相性がいい。でも、そのふたつのシステムは、いのちと共存できない。


人がそれらに頼ろうとすればするほど、それらは私たちから多くのものを奪っていく。原発事故も、金融不安も、どちらも同じところに根っこがある。そもそも無理なんだ。もう古いんだ。


原発と資本主義のおかげで豊かになった社会にどっぷり浸かりながら育っっていると、代わりになるシステムは想像できないかも知れない。でも、そのヒントは「太陽」にある。惜しみなく与え続ける、あたたかい光。限られた資源を奪い合う社会から、限りない実りを与え合う社会へ。


信じられないように思えるけど、この星ではずっと、そっちのほうがスタンダードなかたちなんだ。みんなが「ああ、悪い夢見てたよね」と、目を覚まして深呼吸すればわかること。太陽は知ってるし、自分の心も知ってるんだ。