18きっぷで会津の旅 【10】帰りの旅路


小さいながらも楽しい街、喜多方を後にし、
ここから東京まで長い電車の道のりになる。


18きっぷ最後の週末とあって、
上り電車は(私を含め)ムサいオトコでいっぱい。
みんなひとクセありそうな顔をしていて、
眺めていると退屈しない。


みんながみんな電車オタクという感じではないが、
車内は日本にいる色んな種類のオタクを
集めたような感じになっていた。
無人島にこの面子で残されても、
それぞれが得意分野の異常な知恵とワザで
生き抜けるんじゃないか?と思うような濃さ。


オタクというのは、
自分の興味ある分野のものには出費を惜しまないが、
それ以外のものにはとことんコストを重視するのだ。
(ちなみに私はエコオタクなので、
 食べ物や日用品などには異常にこだわるが、
 それ以外はつるセコ!)
そのくせ好奇心は人一倍なので、
青春18きっぷというのは電車オタクのみならず、
すべてのマニアックな人間にとって
非常に利用価値のある切符なのである。


長い電車の道のりも、
濃い人たちの動きを見ていると飽きない。
みんな完全に自分の世界に入り込んでいて、
スゴいことになっている。


混んでるのに戦国武将もびっくりの大また開きで
2.5人分くらいの座席を占拠する者、
立ってる人がいるのに床に寝そべって携帯でしゃべる者…。


それぞれが独自のマイ・ストロングスタイルで
普通列車の旅を楽しんでいる!
まるで「世界の中心でオレが叫ぶ」オタクたちの
バトルロイヤルを観ているようで
ハラハラドキドキであった。


そんな感じで楽しく5時間半くらい鈍行に乗り、
東京に帰ってきた。


東京、人多いわ!多すぎやわ!
さっきまで会津で堪能していた
ユル〜い空気が夢だったかのように思える人波。
翌日からまたこの雑踏の中での生活が始まる。
そんな中でも自分を見失わないように、
いつも心に会津の時間を、
そして田楽のおいしさを留めておこうと思った。



<おわり(やっと)>