18きっぷで会津の旅 【1】夜明けの出発


先週に続いて、
18きっぷでぶらりしてきた。
今回は一人で、一泊二日の旅。


行き先を決める基準は3つあった。
・JRだけで目的地に行けること。
・半日で行けるギリギリ遠くに行くこと。
・エリアは今まで行ったことがない東北地方 


この3つの基準で選んで、
行き先は福島県会津に決まった。


初めての土地、長い道のり。
その非日常感を楽しむために、
普段は手放せない本もiPodも持たず、
最小限の荷物で行くことにした。


20リットルのバックパックに
半分ほどの軽い荷物を背負い、
夜明けとともに家を出る。


早朝の山手線は、
朝帰りやガテン系の疲れた顔でいっぱい。
そんな中私は、朝日がまぶいしい車窓を眺めながら、
半日の「何もしない」という贅沢な時間のことを考え
ウットリする。幸せ。


池袋から埼京線に乗り、宇都宮へ。
ここからいよいよ、東北への道のりになる。
窓の景色は、大きなビルこそないものの、
住宅が続き、田舎に行くという感じはしない。


黒磯というところで時間があったので、
途中下車してみる。
駅前には古い商店街があったが、
ほとんどの店が閉まっている。
いい感じの和菓子屋さんがあって立ち寄ってみたのだが、
売ってるおばさんがスローでレジの列が進まず、
何も買えずに店を出た。


黒磯駅に戻り東北本線のホームに行くと、
すでにすんごい人が並んでいた。
黒磯から郡山までの電車はただでさえ本数が少ないうえに、
18きっぷが使える最後の土日とあって混んでいたのだろう。


郡山までの1時間余り
通勤電車のような状態で立つことになる。
しかしながらだんだんと
田舎の風情を増していく景色をながめていると、
気分がワクワクしてきてほとんど疲れを感じない。


やがて小さな鈍行列車は郡山に着く。
ここでの乗り換え時間は3分。
電車に乗っていたたくさんの人びとは、
ダッシュで磐越西線のホームに向かう。


磐越西線のホームには、
赤べこの絵が描かれた電車が止まっていた。
昔の国鉄の特急に使われていた車両なので、
これは特急かも知れないなあと思って
乗るのをためらってるうちにドアが閉まってしまった。


表示を見ると、
「快速あいづライナー」と書かれている。
これは快速だ!乗らなきゃ!
車掌さんと目が合ったので、
乗りたい旨ジェスチャーで伝えると、
ドアが開いた。ありがたい。


あいづライナーは通路まで人でびっしり。
私はデッキの窓のそばで窮屈な姿勢で立つことになった。
立ちとはいえ、窓のそばというのは幸いだった。
窓の外に広がる山並みの風景を
かぶりつぎで眺めることができて、
長い時間退屈せずにすんだ。


会津若松に着いたのは11:50分。
ここまで長かったけど、疲れるというほどではない。
初めての東北。ワクワクしながら改札を出た。



<続く>