「ダーウィンの悪夢」の衝撃


不都合な真実」の次は、
グローバリズムについての
ドキュメンタリー映画「ダーウィンの悪夢」。


学生の頃、学食の定番メニューであった
「白身魚フライ」についてよく、
「白身魚って何やねん?そんな魚見たことないで」
とツッコミを入れたものだ。


ダーウィンの悪夢」は、
そんな白身魚についての恐るべき事実を
痛々しいほどにリアルに伝える映画だ。


タンザニアヴィクトリア湖に、
バケツ一杯分の肉食魚「ナイルパーチ」が
放たれたことから始まる悲劇。


かつて豊かだった生態系を食い尽くす
巨大で凶暴なナイルパーチと、
タンザニアの社会と人々を搾取する
歯止めのないグローバリズムが重なり、
強烈な印象を残す。
さらに武器の売買という疑惑があいまって、
途方もなく重たい気持ちになる。


グローバリズムの問題についての映画は
かつて「ザ・コーポレーション」や
「ジャマイカ楽園の真実」などがあったが、
それらがレポート的なものだったのに対して、
こちらは本当に搾取される側の人々が
半端でなく痛めつけられている状況が、
生々しく(でもアフリカの風景は美しく…)描かれている。


ウジのわいたナイルパーチの頭を食べる人々、
ナイルパーチの梱包財を溶かして作った
麻薬を吸う子どもたち…。
目を背けたいシーンの数々は、
先進国の私たちが目を背けてはいけない現実でもある。


グローバリズムや環境問題について、
頭だけでなく、感情のレベルからも
考えるきっかけになる、衝撃の映画でした。


こちらは東京では2月7日まで。
気になる方は、お早めに!


ダーウィンの悪夢
http://www.darwin-movie.jp/