2006穂高縦走(9)


8月20日(日)3:00起床。


今日は上高地へ下る日。
もはや奥穂高、前穂高を登る理由はないので、
(てゆうかその元気なかったので…)
涸沢を経て横尾から来た道を戻るルートを取る。

パパパと準備して、3:30出発。
この日も星はきれい。
さあ、今日はどこで夜明けになるのだろうと
ワクワクしながら星空のもと
ヘッドランプをつけて歩き出す。


穂高岳山荘から涸沢に至る道も、
ほとんど岩場。
ザイテングラードと名づけられた、いかつい岩場だ。
地図上では短時間で終わることになっているが、
涸沢小屋で同じ部屋に泊まったベテランのおばさまは
「想像以上にきつかった」と話していた。
なので覚悟はしていったのだが、
やはり、きつかった。


岩ばかりで歩きにくいのに加え、
暗いのでどこが道なのか分からないのだ。
ヘッドランプで印を探しつつ下ったが、
あちこち岩がガラガラいう。


涸沢カールのそばまできたとき、
ついに全く道が分からなくなった。
空が明るくなってきたので、
このまま待つことにする。
しばらく待ってすっかり明るくなったものの、
やはり、道は分からない。


でも、下には涸沢ヒュッテが見える。
仕方がないので、岩を崩さないように、
3点確保でそろりそろりと降りる。
最終日の下りで予想外の緊張ゾーン。
ビビりつつゆっくり下り、
なんとか○印のあるところまでたどり着く。
ここまでくればもう安心。
ホッとしてザックを置き、
すぐそばに横たわる涸沢カールを眺める。


涸沢カールを抱く奥穂高、前穂高
朝日を浴びてオレンジ色に輝いている。
ああ、よかった。
昨日無茶したけど、
今日も苦労したけど、よかった。
ありがとう穂高、大好きだよ穂高。最高だよ太陽。


晴れがましい気持ちで、
5:30涸沢ヒュッテに到着。
その日はヒュッテで音楽祭があるようで、
朝のヒュッテには楽団のリハーサルの音が響いていた。


いい景色、いい音楽、いい空気。
その中で、ゆっくり朝ごはんを食べた。
パンとコーンスープだけの朝ごはんだったけど、
こんなにおいしいご飯はないと思った。


ちなみに山での朝ごはんは
毎日こんな感じでパンとスープだけ。
パンはくろうさぎの天然酵母パン
コーンスープはミヤコの「植物から生まれたコーンスープ」


山にはたくさんの食材を持って行くことはできないので、
おいしい物を厳選して持って行くのをオススメします。


<つづく>