2006穂高縦走(2)


横尾からは樹林帯が減って、
徐々に山道になっていく。


日差しが強い。
天気は予報を裏切る晴天。
汗をにじませながら、ゆっくり歩く。


左手に見えるのは
屏風岩という大きな岩。
この岩、屏風というにはあまりにゴツい。
男塾塾長の江田島平八のような
ワイルドな風体をしている。
こいつがジャマをして、
穂高はまだ全身を見せてくれない。


屏風岩の異形を眺めながら
梓川沿いをしばらく歩いて、
本谷橋といいう
大きな吊り橋にさしかかる。


この吊り橋が架かる谷には
雪解け水がジャバジャバ流れている。
流れに手を入れてみると、
凍るような冷たさ。
顔を洗い手ぬぐいを濡らし、
気合いを入れ直す。


ここからは、急な坂になる。
道も岩がゴロゴロし始めて、
いよいよ山登りが始まったという感じ。
う〜ん、山に来たね〜なんて思いながら坂を登る。

そして涸沢。
涸沢は、その名のとおり涸れた沢。
しかし、ただ涸れているわけではない。
斜面に大きな雪渓を抱いているのだ。


今年は例年よりも大きな雪渓が
残っていると聞いてはいたのだが、
実物を見るとやはり驚く。
小屋に行くには、
この雪渓を渡らなければならない。


ありがたいことに、
雪渓にはステップが刻んであり、
階段状になっている。
滑らないようにゆっくりと歩く。